- 相続・遺産継承
- 人が亡くなったときに、資産などの所有権がなくなるので、その資産などについては、親族などの相続人に継承されます。これが遺産継承です。相続人などの継承権利者が一人だけなら、死亡した人の資産などを、相続人がすべて継承することになり話は簡単です。しかし、権利者が複数いる場合には、このように簡単にはいきません。それぞれの権利者に関して、死亡した人との親等などを基準として、権利の割合が、法律上定められているのです。もちろん、権利者同士の話し合いで、法律上の割合とは異なる割合で継承することは自由です。しかし、このような場合には、すべての権利者の合意事項として、法律上の手続を経ることが必要になります。親族の間での資産のやり取りを、このような形で行うことは手間のようにも感じますが、後々の紛争を防止するため、また、対外的に、継承した資産などの所有権を主張するためには、このような手続を経ることが必要になるのです。
- 遺言
- 自分の資産などについて、自分が死亡した後には、親族などの相続権利者に相続されることになります。相続の割合は、相続人の親等などに応じて、法律上で細かく定められていますが、相続人全員の話し合いによって決定することも出来ます。一方で、自分の資産などについて、特定の人物に相続されることや、相続の割合について指定したいと考えることもあります。そのような時に有効なのが、遺言の作成なのです。基本的には、遺言により、自分の財産を自由に処分することができます。相続権利者以外の者に、相続させることも出来ます。一方で、相続権利者は、資産の相続について期待を持っているので、これを保護する必要があります。これを遺留分といいます。この遺留分については、たとえ遺言で指定しても、これを減額や拒否することは出来ません。実際の相続は、遺留分を侵害しない範囲で、出来るだけ遺言の内容を実現する方向で行われることになるのです。
- 成年後見
- 高齢になってくると、痴呆や認知症などにより正常な判断をするのが難しくなってしまう人が多いです。そういった場合に、他人と契約を締結すると、著しく不利な条件の義務を負ってしまう例も少なくありません。また、財産を失ってしまうこともあり得ます。こうしたことを防止する目的で、成年者の行為能力を制限する制度が成年後見制度です。つまり、未成年者と似たような扱いになるというわけです。法定代理人として成年後見人を選定することになります。そして、未成年者の保護者と同様に、成年被後見人の財産を管理し、代理人として契約を締結することが可能になります。また成年被後見人になると、被後見人は後見人の追認がなければ有効な契約を締結することができなくなります。こうすることで、一方的に不利な条件の義務を負うことを防止できます。特に財産をかなり多く持っている人が、認知症になってしまった場合には、この成年後見制度が役に立ちます。
- 不動産登記
- 家や土地などの不動産を売ったり、買ったりした場合に公にその物権が自分のものであることを主張するためには、不動産登記をしなければなりません。なぜ必要かといいますと、一つの不動産について不動産登記しないままでいると、後からその不動産について取引を行った者がいた場合、その者が不動産の移転登記をすれば、前者はその取得の権利の主張できないことになります。これを不動産登記の対抗力といって、最終的な権利主張の根拠になりえるものです。またこうした所有権移転登記のみならず、担保物権の設定たとえば抵当権の設定も、担保契約を締結しただけで登記しないと対抗力が発生せず、あとに契約により発生した抵当権を有する人が先に登記すれば、その人が優先して返済を受けることになってしまいます。このように不動産について取引した場合、権利の実態にあった不動産登記を申請していないと、権利を第三者に主張できないばかりか、実質的に権利の取得もできないことになります。
- 商業登記
- 会社を起こす際に必要なのは会社設立の登記です。この登記をすることで、法律上会社が成立したことになります。よって会社を成立させるには、かならず会社設立の登記が必要です。会社の種類は、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社があり、各会社とも設立の登記を必要とします。有限会社という法人格もありますが、法改正により新規の設立の登記は認められません。会社の種類としては合同会社が有限会社に一番近いので、近年は合同会社として設立することがほとんどです。また合同会社は、出資金一円でも設立でき、株式会社ほど会社設立の書類が必要ではないので最近では設立件数が増えています。またこの設立登記以外でも、会社に関する内容、たとえば、株式会社であれば商号、事業目的、本店の住所、資本金、発行済み株式数、取締役、監査役、代表取締役のなどの役員に関することを登記します。要するに会社の内容そのものを公に示したものが商業登記であると言えます。
- 会社設立
- 会社設立とは、一言で言えば事業を行うことを目的として法人格を取得することです。日本では、国内の産業を活性化するために事業を行い、産業や商業などの分野に於いて貢献する事に対して様々な面での優遇制度が有り、その恩恵を受けるためには法人格を取得する必要があります。会社設立を行うためにはまずはどのような事業を行うのか、またその事業の規模、従業員数、および会社の資本金の金額を届出なければいけません。これは事業を行う上でその事業の正当性及び責任者の資質を確認するために提出するものです。責任者の資質を問うとはいってもそのチェックは非常に簡単で、一定額の資本金が有るか、また従業員はいるのかなど、その会社が本当に事業を行っていく覚悟が有るかをチェックする程度です。また、創業者に債務整理の実績があったとしても、原則としては受け入れられます。しかし、債務整理をした実績があるとなかなか事業は上手くいかないことも多いものです。しかし、債務整理の実績はお金の面で苦労した経験を持っていることから財務面での経験を持っており、企業を運営するのには最適と評価する所も少なくありません。
- 債務整理
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債務整理とは、借金が支払えなくなってしまった場合に法律的な対応を持ってその支払いを免除したり、または返済方法を変更することで対処を行う方法です。返済義務がなくなる自己破産、一分の返済義務がなくなる民事再生、そして返済は行うがその期間や減債額を債権者と法律の元で調整する任意整理が有ります。
これらはその方法により、また整理の理由によりその減額率や本人の資産に対する影響もまちまちです。その為、債務整理を行う場合には担当する弁護士や司法書士などと十分な相談が必要です。また、故人の遺産の中に借金があり、その借金を債務整理する場合には通常の遺産相続と異なり、遺産分割協議の効力が及びません。法律で決められた分配率通りの配分となるため、その金額に対しての債務整理を行うかどうかの検討が必要です。また、相続放棄をすることで借金の返済は免れますが、同時に万が一過払い請求の権利がある場合でもその権利を失うことに注意が必要です。
司法書士伊藤博子事務所 /相続・遺産継承、遺言、成年後見